高級SUV・4WD車と聞けば「ランドローバー」と「レンジローバー」を頭に思い浮かべる方も多いと思います。しかし、どちらも耳にしたことはあるけれど何が違うのかをはっきりわかっていない方も居られるのではないでしょうか?
今回は「ランドローバー」と「レンジローバー」とは何か?違いは何?を説明しながら、紹介をさせていただきます。
ランドローバーとは?
「ローバー・モーター社」から始まった「ランドローバー」はイギリスの自動車メーカーですが、車業界の荒波に揉まれながらも現在はインドのタタ・モーターズ傘下で、「ジャガーランドローバー」として、高級SUV・四輪駆動車を専門として販売を行っています。
ランドローバーの歴史
1948年にイギリス「ローバー・モーター社」が、アメリカ製ジープ「ウィリス」を目標に、イギリス国産のジープとして開発したのが「ランドローバー」です。
四輪駆動モデル「ランドローバー シリーズⅠ」に始まり、その後「シリーズⅢ」まで進化していきます。このモデルとしての「ランドローバー」も1990年からは後継モデル「ディフェンダー」として進化していきます。
このように元々は「ローバー・モーター社」のいちモデルとしての「ランドローバー」でした。しかし、1968年にイギイス国営企業である「ブリティッシュ・レイランド」に「ローバー・モーター社」が合併されます。それにともない1978年に子会社化され「ランドローバー」という自動車メーカーとして誕生しました。
1986年には「ブリティッシュ・レイランド」から「ローバー・グループ」に社名を変更されました。その後「ランドローバー」は1988年からは「ブリティッシュ・エアロスペース」に、1994年には「BMW」へ、そして2000年には「フォード」へと親会社が入れ替わっていきましたが「ランドローバー」としてのブランドは存続し続けています。
2008年にはインドの「タタ・モーターズ」の傘下に入り、現在にいたります。
レンジローバーとは?
自動車メーカー「ランドローバー」から1970年に「レンジローバー」の販売がスタートしました。「レンジローバー」は「ランドローバー」のフラッグシップモデルとして、開発されていきます。
初代モデル誕生以来、常に進化し続けてきた『レンジローバー』の軌跡を見ていきましょう。
レンジローバーの歴史
1970年にオフロードを前提としたフルタイム4WDを搭載した「レンジローバー」が発表されます。同時に「レンジローバー」はオンロードでは高級乗用車に匹敵する居住性や快適さを追求し、高級4WD車としての地位を確立していきます。
そして、デビューから11年後の1981年に4ドアのレンジローバークラシックが登場します。
1994年になると第2世代レンジローバーと呼ばれ従来の、丸形ヘッドライトに代わり、角型ヘッドライトが採用されました。
2001年からは第3世代へと進化し、シングルシェルのモノコックボディを採用します。2005年にはレンジローバーの新しいモデルとしてスポーツSUVの初代「レンジローバースポーツ」が登場しました。
2011年には前年度のパリモーターショーで一躍話題となった、ラグジュアリークロスクーペ「レンジローバーイヴォーク」がデビューします。
2012年の第4世代レンジローバーでは、SUVで初の軽量オールアルミ製モノコックボディが採用されました。2013年にレンジローバー初のハイブリッド車両が登場しました。
2015年には「レンジローバーイヴォークコンバーチブル」として、世界初のラグジュアリーコンパクトSUVのオープンカーとして発表されました。
2017年の新型「レンジローバーVELAR」、次いで初のプラグインハイブリッド(PHEV)シリーズも発表されます。
2019年にはマイルドハイブリッドテクノロジーを搭載した、「レンジローバースポーツHST」が登場しました。
2020年、レンジローバーシリーズの50周年を記念して、スペシャルエディション「Fifty」が、誕生の年と同じ数字となる1970台生産されました。
まとめ
『ランドローバー』と『レンジローバー』の違い、わかっていただけましたでしょうか?
少し混乱する部分が「ローバー・モーター社」の「ランドローバー」というモデルがあったことから、自動車メーカーの「ランドローバー」として設立されたこと。
自動車メーカー「ランドローバー」のモデルとして「ランドローバー」でも販売されていたこと。1990年からは混乱を避けるために、「ディフェンダー」に変更されたこと。
自動車メーカー「ランドローバー」のモデルとして「レンジローバー」が発表されたこと。
このことから、車の年式などにより混乱することがありますが、今回の説明で理解していただけたのではないでしょうか?
『ランドローバー』と『レンジローバー』の歴史も知ることで、『ランドローバー』と『レンジローバー』のことが前よりも好きになってもらえたのなら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ライター:Ancar編集部 呉東和虎