4WD、四駆と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?すべてのタイヤが回るのだから滑りやすい道でも安全と考える人もいると思います。実際にラリーカーや悪路を走る車では四駆が多く採用されています。しかし、車の動きを考えると一概に安全であるとは言い切れません。四駆の特徴を踏まえながらスタッドレスタイヤおよびタイヤチェーンが必須である理由を解説していきます。
四駆の特性
滑りやすい路面(低μ路)での走行
発進は明らかに有利
発進時は二駆と比べれば明らかに四駆が有利です。タイヤは路面との間に一定以上の力がかかると滑り出しますが、μが低い路面では滑り出すまでの力の許容量が小さいです。四駆は駆動力を4つのタイヤに分散している分、1輪あたりにかかる力が小さくなるためタイヤを空転させずに発進しやすくなります。もちろん四駆でも限界を超えて急加速しようとすればタイヤは空転します。
減速・停止ではエンブレに注意
フットブレーキで車両を減速させる際には駆動システムとブレーキシステムはそれぞれ独立しているため駆動方式は関係ありません。エンジンブレーキ(エンブレ)を使う場合、四駆はすべての車輪にエンブレがかかるため二駆よりは多少安全に減速できるでしょうが、エンブレは制動力のコントロールがしづらく、これをメインで使って減速するのは避けるべきです。下り坂での速度抑制のため、およびフットブレーキと併用での使用が望ましいと思われます。エンブレではABSが効かない、つまり制動力が路面-タイヤ間の摩擦力を超えタイヤが滑り始めても車はリカバリーしてくれないという事に注意が必要です。
カーブでは加減速に注意
旋回中に加減速する場合はタイヤの横方向のグリップが縦方向のグリップに奪われるので横に滑り出しやすくなります。四駆の場合これがすべてのタイヤで起こる可能性があるので走行ラインがずるずると外側に膨らんでいってしまいます。二駆の場合でも旋回中の加減速は急な姿勢変化を招き危険です。
等速で旋回する場合はタイヤの横方向のグリップをすべて使えるので横Gの限界を超えなければ問題なく曲がることができます。この時駆動方式はほぼ関係ありません。