日本輸入自動車史「輸入車ならではのリバイバルモデル」。ニュービートルやフィアット500

その名を後世に復活させるリバイバルモデル

日本初の量産乗用車「三菱A型」が登場したのは1919年、さらに日本初の乗用車ブランドと言える「ダットサン」が誕生し、ダットサン11型が販売開始されたのは1932年。 しかし、その後長い戦争と敗戦によって自動車文化が一度途切れて後、戦後日本独自の自動車文化が再開したと言えるのは、ダットサン110やトヨペット クラウンが誕生した1955年。 さらに欧米の影響を受ける側から、欧米に発信する側に回った最初の例となると、1969年の日産 フェアレディZ(初代のS30型)が最初になるでしょう。 一方、欧米では戦前から1950年にかけて開発されたモデルが21世紀に至るまで生産を続けられた例があり、自動車文化の出発点や蓄積で日本が未だ及ぶところではありません。 長きにわたって生産され、愛された欧米のロングヒットモデルがその生産を終える時、現代でも十分に通用するデザインを使って現代風に解釈し、現代の技術を使った最新モデルを作ろうと考えるのは、至極当然の結果だったのでは無いでしょうか。

ニュービートルの衝撃

最初に登場したリバイバルモデルは、1998年登場のフォルクスワーゲンのニュービートルでした。 1938年に登場して少数が生産され、第2次世界大戦後の1946年から本格生産を開始、2003年にメキシコで生産終了するまで、中断期間を含めれば実に65年も生産された世界最多・最長のロングセラー車、フォルクスワーゲン タイプ1、通称「ビートル」のリバイバル。 最新のゴルフと同じプラットフォームにビートルをモチーフとした「円」の組み合わせによるボディを載せて、現代のデザインと技術で見事にビートルを再現しています。 もちろんゴルフ同様のFF車ではありますが、スペース効率や快適感などの実用性より、とにもかくにも「ビートルらしさ」を追求したのがウケて大ヒットとなりました。 タイプ1を初代とすると2代目にあたる「ニュービートル」に続き、少しルーフを低め、戦後の名車ポルシェ356のテイストも加えた3代目「ザ・ビートル」が現在も好評販売中です。 このビートルのリバイバルをキッカケに、数々のリバイバル車が生まれました。

BMWが継続したミニの伝統

続いて登場したのはイギリスの至宝、ミニをドイツのBMWが継続した「ニューミニ」です。 1959年から2000年まで生産継続されたコンパクトカーの傑作、ミニを最後まで生産していた英ローバーを買収したBMWですが、ブランドは分割して価値あるものだけを手元に残しました。 その最大のものが「ミニ」で、実質BMW初のFF車ながら「ミニ」ブランドで2001年よりニューミニの販売を開始。 初代とはうってかわって大柄でロー&ワイドボディの現代風ボディとメカニズムを持ちつつ、フロントマスクをはじめとする各部のデザインは「ミニサイズではないが、どこから見てもミニに見える」という秀逸なもの。 2016年現在はBMWミニとして3代目、通算すれば4代目になっていますが、大きくなりつつデザインモチーフだけは守り続け、「ミニという自動車」というより「ミニという乗り物」と化しています。 初代ミニに存在したステーションワゴン、カントリーマンなどを設定しているのも心憎い演出でしょう。

アバルトまでついてきたニューチンク

さらに2007年にはイタリア後で500を表す「チンクチェント」の名で親しまれ、1957年から20年間生産された2代目フィアット500が復活します。 フィアット500そのものは戦前から1956年まで生産された初代、さらに「フィアット チンクチェント」名で1992年から1998年まで生産されたモデルもありましたが、もっとも愛された2代目フィアット500がリバイバルされました。 ビートル同様、駆動方式はRRからFFに変更されつつ「どう見てもチンクチェント」なデザインであり、しかもエンジンはかつての空冷2気筒エンジンを彷彿させる水冷2気筒ターボ「ツインエア」を搭載。 2気筒独特の振動までリバイバルした上に、アバルトチューンモデルまであっては文句のつけようがありません。

まだまだ続くリバイバル輸入車

ビートル、ミニ、チンクチェントとくればシトロエン2CVのリバイバルも待たれるところですが、フランスから飛び出したのは2CVではなくアルピーヌ・ルノー A110で、2016年2月にコンセプトカー「アルピーヌ・ヴィジョン」を発表後、2017年に復活予定との事。 A110は1963年デビューでしたから、まだまだ他にも復活ネタがありそうですね。 アメ車でも市販モデルでは無かったものの、レーシングカーGT40のリメイク、フォードGTが販売されていますし、デロリアンの復活も噂されています。 日本でもかつてトヨタがプレミアムコンパクトセダンのプログレをベースに、初代クラウンをリバイバルしたという「オリジン」がありましたが、実際には初代クラウンと似ても似つかぬ「何となく古く見えるだけのクルマ」でした。 戦前のトヨダAA型をハイラックスベースでリメイクしたトヨタ クラシックは見事に再現していましたが100代の限定生産で終わりましたし、どうも日本車のリバイバルはうまくいっていません。 むしろ初代ミニ風のレトロチックモデルをダイハツ ミラジーノをはじめ各社が販売していたほどで、リバイバルするとかえって「かつて海外の模倣だった時代をリバイバル」してしまうのが、日本車の歴史がまだ浅い事を証明してしまっています。 いずれ初代フェアレディZのリバイバルモデルでも出るまでは、なかなか日本には真似のできないところですね。

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