【試乗記 JB23ジムニー】なぜ人気?入門〜玄人まで、みんなが選ぶロングセラー軽クロカン!

最新の製品が最良の選択…そうはいかないクルマの世界。時代を切り取ったテイストや、圧倒的なコストパフォーマンスなど、価値観が広がる中古車の世界を実際に車に乗ってご紹介!今回は軽クロカン絶対王者『スズキ ジムニー』、その中で最も長く愛された本車の象徴とも言える型、JB23が登場です!

モデル一番のロングセラー、3代目『JB23』はどんな車なのか?

1970年、商用車として生まれたジムニー。その3代目JB23が生まれた時代はゴツいクロカンブームがひと段落した頃でした。

この車はそんな時代が求める乗用車気質を兼ねつつ、ジムニー特有のディープな世界観を一切妥協しなかった、オンリーワン・軽だと断言できます。

先代と比べ丸みを帯びた外装に、伸びた全長&ホイールベースは高速安定性を考慮した結果です。マイルドな顔つきで初代や2代目と全く違う雰囲気。

それどころか現行ジムニーに比べても柔らかな印象を受けるため、最も長期間販売されたモデルでありながら歴代の中では特異なモデルかもしれません。今回レンタルしたのは『ランドベンチャー』というグレードで、各所のメッキ加飾がそんな柔らかな表情をキリッと際立たせています。

ちょっとスマートな『JB23ジムニー』ですが、ひとたびハンドルを握ればわかるその職人気質なタフガイぶりと、20年間選ばれ続けた理由。実物に“まだ”触れていない皆さんをどこまで引き込めるかわかりませんが、拙筆ながらこの世界観をご紹介させて頂きましょう!

もはや軽トラ?「使う」ことだけ考えた、ウルトラシンプル空間

どの席に座ってもインパネを見渡しても、感想はただ一つ。この車の内装に意思を持った装飾性は全くないという驚きです。

人によっては「軽トラ?」と思われかねない運転席周り。しかしそのシンプルさが、操作性の良さと使い易さに直結しています。例えばエアコンはタッチパネルに比べ物理的なコントロール感に富んでおり、指先の感覚で直感的な操作が可能になっていますね。むしろ各部スイッチのクリックな感触が、この車の世界観にマッチしているかもしれません。

後部座席はドアの開口部が広い為乗り込み易いものの、座ると流石にキツキツです。

緊急用または荷物置きシートとして捉えた方が良いでしょう。これまでのジムニーに比べ、ファミリーユースを意識した本車ですが、基本定員は2名乗車ですね。

荷室は車体寸法上奥行きに限界がありますが、ラダーフレーム特有の薄いキャビンにより開口部が広く取られています。後部座席を倒せば大型のスペースが生まれる上に、ちょっとした蓋付き収納や物入れも用意されている為、使い勝手は非常にGOOD。流石に車中泊はどんなに体を丸めても厳しく、断念しました。

全身に伝わるジムニーの自信「他にいないでしょ、こんな車」

まるで座席下に頑丈な板を一枚敷いたような鉄壁の乗り心地で、『ラダーフレームの義務教育』を受けることができます。

これが世に言うジムニーの魅力…感嘆せずにはいられませんでした。確かに路面のうねりによる縦揺れが大きい為、快適な乗り心地ではありません。しかし、微小な段差や荒れに対する車体の受け止め方には驚くばかり。ガッチリ組まれたラダーフレームが持ち前の頑丈さで、地面から来る様々なイレギュラーをビンビン弾き返します。

 

意外だったのはコーナリング。

ワインディングでは後ろをグイグイ押してテンポよく身をかわす、スポーツカー的性質が顔を覗かせます。これがリニアに伸びるK6Aターボエンジンと絶妙にベストマッチ、気持ちよく走ることができました。先入観からガッチガチの車を想像していた著者は驚きを隠せません。あれ…これは欲しいかも…?ちなみに高速道路も制限速度内であれば予想以上の安定性を誇っていました。下手なコンパクトカーを凌駕するレベルです。

4WDをオンにすると、砂利駐車場といった荒地で抜群の走破性を見せました。

借り物ゆえガンガンに攻められませんでしたが、砂利道の低速走行レベルで十分感じ取れる性能ですから、競技用に使われるのも納得です。

しかし、ここで『賛否両論』を予感させるポイントを見つけてしまいました。

スイッチ式のトランスファー。これは人を選ぶかもしれません。

2004年5月の『JB23ジムニー』5型からスイッチ式に変わっています。しかし、この車を好むユーザーの中には操作感を重視する層が少なくないはず。その証明の一つとして、現行ジムニーはスイッチ式ではなくレバー式となっていますね。利便性や機械任せの安心感という面でスイッチ式のメリットは大きいかもしれませんが、皆さんはどっちがお好みでしょうか?

軽クロカンの基礎にして頂点。維持は?グレードは?価格は?

ジムニーのバリエーションは非常に豊富です。20年間というモデルイヤー間に多くのマイナーチェンジと様々な限定モデルが誕生しました。

細かいマイナーチェンジはここでは割愛しますが、限定モデルだけでも今回の仕様以外に沢山あります。シルエットを劇的に改変するようなものはありませんが、細かなユーザー趣向によく対応できているイメージです。

  1. ファッションデザイナー『山本寛斎』プロデュース仕様
  2. 4WDモードのない、可愛らしい完全FRモデル『J2』
  3. FISフリースタイルスキーワールドカップとのタイアップ『FISフリースタイルワールドカップリミテッド』
  4. スポーツ用品店『サロモン』とのタイアップ仕様

コスト観点で言えば、「軽としてはかなり高い本体価格」「致命的トラブルは無いが、経年補修でかかる維持費」といった所でしょう。

流石に2006年以前の古いモデルとなれば50万円を切る安価個体が手に入りますが、以降の年式では物によって150万円を超える個体も存在し、ピンからキリまでといったところ。相場は安定して高く、新型があるからといって大幅に安くなったわけでもなさそうです。しかし、価格だけで判断するのは非常に危険ですから、信頼できる販売店から十分な説明を受けたのちに購入しましょう。

購入後の補修維持費についてですが、これもやはり経年からくる故障の可能性が十分あります。とはいえ修繕不可な致命的トラブルはあまり無く、部品供給も豊富、更に20年間の販売期間中に様々なノウハウが出切っていますので、国産スポーツの維持に比べれば圧倒的に楽だと言えるでしょう。そういった意味では非常に手軽で、長く付き合える素敵な相棒間違いなし。あなたもぜひ手に入れてみては如何でしょうか?

今回のレビューは動画でも公開しています。詳しい部分がもっと知りたい方は、ぜひ御覧ください。

最後に、この車のメディア目的の貸し出しをご快諾いただけたオーナーのjinba様(https://anyca.net/car/23837)に感謝を申し上げます。

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