車の分類番号である4ナンバーをご存知でしょうか。この記事では4ナンバーの自動車の取得の条件や、4ナンバーのメリットやデメリットなどを紹介しますので、4ナンバーの自動車の取得を検討している方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
4ナンバーとは?
4ナンバーとは小型の貨物車に割り振られるナンバーです。車のナンバーには0番から9番までの分類番号が割り当てられており、車のナンバープレートの上部に記載された3桁の数字の1桁目を見ることで番号がわかるようになっています。また、分類番号は番号によってかかる費用が異なりますが、4ナンバーは維持費が安いことで知られています。ここでは4ナンバーの条件や維持費について紹介していきます。
4ナンバーの車を取得する為5つの条件
4ナンバーの車はどのように取得すればよいのでしょうか。3ナンバーや5ナンバーの自動車が一般的な移動手段として用いられるのに対して、4ナンバーは貨物用の車となっています。そのため、4ナンバーの自動車を取得するには特定の条件を満たす必要があります。ここでは、維持費の安い4ナンバーの車を取得するための5つの条件を紹介します。
4ナンバーの車を取得する為の条件1:荷室の床面積が1㎡以上
4ナンバーの車を取得するには、物品の積載設備の床面積が1㎡以上あるという条件があります。4ナンバーは物の輸送を目的とした自動車にあたるため、物品積載設備、つまり積載できる荷室の最大利用時の床面積が1㎡以上あるという条件が課せられています。たとえば、よく運送業で利用されているようなバンやトラックなどが4ナンバーに該当します。これらの車両も維持費が安いとされています。
最大に利用した場合において物品積載設備の床面積(注2)が1m2(軽自動車にあっては、0.6m2、二輪の自動車でけん引される被けん引自動車にあっては、0.2m2)以上
4ナンバーの車を取得する為の条件2:運転席と荷室スペースに壁・仕切りがある
4ナンバーの車を取得するには、運転席のシートと荷室スペースに仕切りを備えているという条件があります。4ナンバーの自動車は、一般的な人が移動するために利用する自動車の形状と異なり、乗車設備部分と物品積載施設との間に保護仕切りなどの仕切りや壁がある必要があります。トラックのように前方に運転席と助手席があり、後方は全て積載スペースになっている形状がわかりやすいでしょう。
乗車設備と物品積載設備との間に適当な隔壁又は保護仕切等を備えたもの
4ナンバーの車を取得する為の条件3:後部座席より荷室スペースが広い
4ナンバーの車を取得するには、乗車設備部分よりも荷室スペースが大きい必要があります。4ナンバーの車には、後部座席よりも荷室スペースが広いという条件があります。そのため、トラックのように後部座席がない形状の車だけでなく、バンのように後部座席があっても、後部の乗車スペースより物品積載設備が広い場合には4ナンバーの条件を満たします。
最大に利用した場合において、残された物品積載設備の床面積が、この場合の乗車設備の床面積(注4)より大きい
4ナンバーの車を取得する為の条件4:定員まで人が乗った場合の重さより物品積載重量の方が重い
4ナンバーの車を取得するには、車に定員まで人が乗った場合よりも、荷物を載せられる重量の方が大きい必要があります。4ナンバーの自動車は、人の移動用ではなく、あくまで荷物の輸送を目的としています。そのため、最大まで人が乗っても、荷物を載せた場合より軽いという条件があります。また、人の重量の計算する場合は、一人あたり55キロとして計算します。
最大に利用した場合において、残された物品積載設備に積載し得る貨物の重量(注5)が、この場合の乗車設備に乗車し得る人員の重量より大きいhttp://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
4ナンバーの車を取得する為の条件5:ドアの寸法が横800㎜、高さ800㎜以上ある
4ナンバーの車を取得するには、ドアの寸法が横800mm、高さ800mm以上ある必要があります。4ナンバーは貨物自動車にあたるため、物品の積卸を行う後ろのドアを開けた時の入口部分の寸法が一般的な車両よりも大きいという条件があります。ただし、トラックには後部座席はないため、この条件は除かれます。
側面又は後面に開口部の縦及び横の有効長さがそれぞれ800mm(軽自動車にあっては、縦600mm横800mm)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
4ナンバーの車検でかかる費用4つ
4ナンバーの場合だと、車の維持費の1つである車検にはどのようなものが必要か4つ紹介します。4ナンバーの自動車を取得したいと考えている場合、車検の際にかかる費用についても確認しておく必要があるでしょう。4ナンバーの車検の際には重量税、自賠責、検査印紙代、車検代行手数料などがかかります。これらは、車両を所有する際の、基本的な維持費でもあります。
4ナンバーの車検でかかる費用1:重量税
重量税とは自動車の重さによって高く課せられる税金です。重量税は、車検の際に納める税金で、重くなるほど高額になる維持費の1つです。また、4ナンバーでも自家用か事業用かどうかによっても税額は変わり、家庭用の方が割高になっています。
4ナンバーの車検でかかる費用2:検査印紙代
検査印紙代とは、手数料や税金を払う際の印紙にかかってくる費用です。他のナンバーと比較した場合でも2,000円未満となっており、そこまで大きな価格差はありません。
4ナンバーの車検でかかる費用3:自賠責保険料
自賠責保険料(自動車賠償責任保険料)とは、入らなければならない強制的な保険です。そのため、車にかかる維持費において固定費としてみましょう。自賠責は、事故が発生した場合に、加害者が被害者への慰謝料を支払えないケースを避けるためにある保険です。4ナンバーなどの貨物自動車の場合、運送業で用いられることを想定した車のため、自家用車よりも運転距離が長い場合も多く、事故のリスクも高いです。そのため、他のナンバーの車よりも自賠責保険料は高い傾向にあります。
4ナンバーの車検でかかる費用4:車検代行手数料
車検代行手数料車検をディーラーや車の状態により変わります。車検代行手数料は一般的には年間2、3万円となります。車検はディーラーに頼む以外に、直接車検場に持ち込んで受けることも可能なので、その場合は無料になります。ただし、ディーラー車検や民間車検の方が丁寧にメンテナンスをしてくれるというメリットもあります。
4ナンバーの2つの維持費
4ナンバーの車には2つの維持費が必要です。車を所有する場合、維持費がどのくらいかかるのかは事前に知っておきたいところですが、この維持費は主に、自動車税と任意保険料になります。それでは、以下で4ナンバーのこれらの維持費について紹介します。
4ナンバーの維持費1:自動車税
自動車税とは、自動車を所有している場合に課せられる税金です。毎年4月1日時点で自動車を所有している場合、維持費として自動車税を納める必要があります。4ナンバーの自動車の場合、最大積載量によって金額が異なります。これは決まった時期に、決まった費用でかかる維持費だといえます。
ナンバーの維持費2:任意保険料
任意保険料とは、任意で加入する保険にかかる維持費用です。自賠責などの強制保険ではなく、自動車を保有する人それぞれが必要かどうか判断して加入する保険もさまざまな種類があります。現在自動車を所有している人のほとんどは、何かしらの任意保険に加入しているでしょう。これも固定的な維持費だといえます。
4ナンバーにするデメリット2つ
4ナンバーの車にはデメリットもあります。4ナンバーの車は他のナンバーの車と比較して税金や維持費が安いといったメリットがありましたが、その一方でデメリットも存在します。ここでは4ナンバーにするデメリット2つを紹介しましょう。
4ナンバーにするデメリット1:小型貨物車としての条件がある
4ナンバーの車は小型貨物車としてさまざまな条件が課せられています。前述のとおり、4ナンバーは貨物車であるため、荷室スペースや後部ドアのサイズ、運転席と荷室スペースに仕切りがあるなど、さまざまな条件を満たす必要があります。
4ナンバーにするデメリット2:車検が年に1回ある
4ナンバーの車は車検の有効期限が短いというデメリットがあります。4ナンバーの場合、新車登録時は2年、それ以降は1年で車検を受ける必要があります。ただし3ナンバー、5ナンバーの場合は2年に1度となります。4ナンバーハイエースの車検にかかる法定費用は以下になります。
4ナンバーは維持費は安いが取得所条件や車検頻度などに手間がかかる
4ナンバーの車を所有する場合は、維持費が安いなどのメリットだけでなく、デメリットも考慮しましょう。小型貨物車である4ナンバーの車は自動車税や維持費などが安いですが、さまざまな条件をクリアしなくてはならず、また、年に1回の車検を受ける必要があります。そのため、維持に手間がかかると言えるでしょう。4ナンバーの車を保有する場合は、デメリットもしっかり考慮するようにしましょう。