「女性は車の運転が下手」はホント?車間距離を詰めすぎるのは脳のつくりに原因があった⁈

よく女性は駐車が苦手と言われます。実際のところ、これは本当なのでしょうか?単なる通説であるようにも思いますが、研究によってこれは「脳の性差」によるものだと解明されています。どうして男性は上手い、女性は下手という考えがあるのでしょうか?

車庫入れは女性の方が下手だった

「女性は男性よりも運転が下手」という通説が正しいかどうかを検証するため、2009年にドイツのルール大学ボーフムでクラウディア・ウルフ博士による実験がありました。この大学は西ドイツで第二次世界大戦のあと最初に発足した、ドイツにおける日本研究の中心的な場所でもあります。その実験とは、セダン(アウディA6)を3つの方法(頭から/バック/縦列駐車)で駐車し、正確性と時間を計るというもので、65名の被験者によって行われました。それによると、女性は男性よりも平均して20秒多く時間がかかりました。また時間をかけても男性より正確性が低いという結果でした。

世界最大規模の英字新聞のひとつイギリス『デイリー・メール』によると、2011年の運転免許試験において縦列駐車が原因で不合格になった男性は1万8,798人、女性は4万863人と2倍以上の男女差が出ています。これらの事例を見ると、たしかに運転には男性と女性で差があるような気がします。

男性と女性で運転の上手い・下手が分かれる理由

遺伝子や脳の違いから会話や仕事など様々な男女の違いを解説した『話を聞かない男、地図が読めない女ー男脳・女脳が謎を解くー』は2002年に発行され、600万部を売り上げるベストセラーとなりました。その多くが統計を用いた科学的に実証されたものであるため、男女の行動の違いが男脳・女脳の違いによるものだという説明にも納得がいく内容となっています(読み物としても面白く、Amazon Prime会員であればKindle版が無料です。気になる方は読んでみてください)。

男性は一点集中型、女性はマルチタスク型

ともかく、男女では脳の構造に違いがあるのです。右脳と左脳をスムーズにつなぐ「脳梁」の形状・大きさが違います。男性の脳梁は小さいためどちらか片方の脳を集中して使用することが多く、そのため時間を忘れて何かに没頭するような1人でこなす作業が得意です。逆に女性は脳梁が大きいため脳全体を使用し、集中力を分散させることができます。そのため協調性が必要な作業や多くのことを同時に処理するような作業は得意である一方で、1人で黙々とこなす作業は苦手です。これらの見解はいまだに推測の域にありますが、多くの実験で検証されていることでもあります。

空間認識能力は女性よりも男性のほうが高い

また同様に脳の違いから空間認識能力は男性のほうが高いと言われています。アメリカ・ペンシルベニア大学の研究は「3次元の空間迷路」を解くときに、女性は頭頂部や前頭部を使用し、男性は海馬をより使用していることを明らかにしました。2次元の展開図を3次元の形に組み立てるなどのテストを行ったところ、男性のほうがスコアが高かったのです。これは「心的回転能力(心で思い浮かべたイメージを回転する能力)」と関係があります。女性は物体の違い(空間)を把握するには意識しなければならないのに対し、男性は無意識的に空間把握を行えるのだと考えられます。

車の運転に関していうと、他のドライバーとの協調性が必要であるとはいえ、運転は1人でする作業です。また車の運転において空間認識能力は、自分の車と障害物の間の距離感をとる、ナビの地図と現在地を照らし合わせるなど必要不可欠です。こうした脳に関する話が正しければ男性は運転が得意、女性が苦手であるという通説も説明がつきます。実際、今でも運転手やパイロットなどの職業には男性のほうが多く就いています。

女性が運転を上手にするには?

2015年、駐車場「タイムズ」を運営するパーク24が車の運転技術に関するアンケートを実施。「苦手な運転技能は何ですか?」という質問の答えで男女に大きな差が見られました。「車線変更」が苦手だと答えた女性は3倍、「合流」が苦手だと答えた女性は3.2倍も男性より多いという結果でした。

女性にとって車線変更・合流が苦手である理由も、車両と周囲の車両との距離感をスピードの出た車に乗りながら把握する“空間認識能力”が求められるからだと考えられます。ネット上には「女性は車間距離をギリギリまで詰める」などという声も見かけましたが、この空間認識能力が関わっていたんですね。

脳の仕組みから運転能力に差が生まれるとしたら、改善する方法、つまり運転が上手くなることは難しいのでしょうか?そんなことはありません。女性の中にもすごく運転が上手い人はたくさんいますよね。運転を上達させるコツは、ただ漠然と運転しないこと。まずは手順を追って運転してみます。ミラーで後ろを見て、右を見て、ウィンカーを出して…といった具合です。そうする内に自然と身に付きますし、上手にできなかったときも何がダメだったかを確認できます。

男性と女性で事故を多く起こしているのは…

実をいうと、事故数は男性のほうが女性よりも多いという現状があります。もちろん車に乗る時間や距離などは違うかもしれませんが、主運転者の男女比率はほぼ同じです(乗用車市場動向調査)。ちなみに自動車乗用中の死亡者数は男性が女性の倍以上です(平成27年中の道路交通事故の状況)。

女性の中には運転が怖いという方もいるかと思います。怖いという意識によって安全運転を心掛けるようになるので事故を防ぐことにつながっているようです。しかし合流では積極的な加速が必要であるなど、慎重に運転しすぎるとかえって事故につながる場合もあります。運転での緊張感は忘れず、怖さは段々と無くしていけるとよいですね。

女性は男性よりも相手の動きの判断ミスによる事故(横断中の歩行者との事故や正面衝突・出会いがしら事故)が目立ちます。また信号無視も男性より多いです。これはあくまで予想ですが、信号機までの距離の把握が上手くできず、黄色や赤に切り替わるタイミングで信号を通過してしまうのではないでしょうか。

一方で男性に多い事故原因はその逆の「過信」。運転に変な自信があるためにスピードを出してしまうのです。死亡事故の発生状況を見てみると男性は単独事故が多く、その原因はスピード超過や不注意、脇見運転によるものです。

今後の対策

ここまで女性を中心に男女の運転の違いを見てきました。「女性は運転が下手だ」という通説は、一方では(脳科学的知見からは)正しいことのようでした。ですがこれは決してジェンダー論がどうだなどという話ではなく、より安全な運転を目指すために考えるべきことのひとつなのだと思います。

まずは女性ドライバーのことを尊重した運転をすること。車線変更しようとするのが見えたらいつもより大きくスペースを空けてあげる。そうした理解が事故を未然に防ぎます。

また男女にかかわらず運転に自信がないなら、壁や障害物との距離感を音で教えてくれるバックセンサーや車庫入れをアシストしてくれるバックアイカメラを設置しましょう。ドライブレコーダーで録画した映像をチェックすることは運転技術を向上させてくれます。どれだけ自分が怖い運転をしていたのかを体感することができます。またYouTubeやSNSなどで事故映像を見ることも、危険予測や判断能力を高めることにつながります。

  

最後に、女性ばかりを話に出してしまいましたが、空間認識能力を「過信」して猛スピードで走る男性は厳重注意で運転するようにしてください。様々なドライバーには様々な性格・特徴があることを理解して、安全運転を心掛けましょう。

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