駆動方式による違い|FFのメリットデメリット

車を買う際にどの車がいいか迷いますよね。正直どれも良くて、なんとなく値段や燃費、ぱっと見の見た目などで判断しがちです。しかしそんな車選びをする中で大事になってくることの中に、駆動方式選びがあります。これは車の構造をエンジンの位置と駆動輪の位置から分類したものです。それぞれで走りの特性が違う駆動方式には大きく5つあり、FR(フロントエンジン、後輪駆動)、FF(フロントエンジン、前輪駆動)、4WD(四輪駆動)、MR(ミッドシップエンジン、後輪駆動)、RR(リヤエンジン、後輪駆動)です。しかし車の駆動方式には、走行性能などの数字の違いだけでなく、それぞれに個性があり、メリット・デメリットがあります。今回はそれぞれの駆動方式の特徴、そしてメリットとデメリットをご紹介するコーナー第2弾として、第1弾でご紹介したFRとよく比較検討される『FF』をご紹介します。

駆動方式の中でも実用性が高く、大衆車によく用いられるFFですが、その特徴とメリットデメリットをご紹介していきます。

この記事の中で注意していただきたいことが2つほどあります。それは今回ご紹介するデメリットの中には少し筆者が個人的に思うことも含まれているということと、車種やボディタイプやメーカーによって走りの味付けは変わり、一概にすべてのFF車に当てはまるものとは言い切ることができないことです。近年のFF車は電子制御が発達し、非常に良い走りをする車も増えてきています。ですから、この記事は少々極端に書かれている箇所があると感じる方もいるかもしれませんが、私の1ドライバーの、意見として受け取っていただけたら幸いです。

FFとは

FFとは、フロントエンジン・フロントドライブ(Front engine Front drive)の頭文字の略語で、車の前部にエンジンが位置しつつ前輪を駆動させる方式のことをいいます。

現在市場に出回っている車の中では、前輪のみを駆動するのはこのFFだけです。なぜなら、さすがに車体後部にエンジンを配置し、前輪のみを動かすというRF(Rear Engine Front Drive)なんていう駆動方式は合理的な理由がなく、どの自動車メーカーも製造していないためです。

FFは前輪の真上にエンジンが位置し、ボンネットの中にはエンジンとトランスミッション、操縦装置などの車における主要な機構のほとんどすべてが納められているという特殊な構造をしています。そういった構造によってFFは2つの大きな特徴を持っています。1つは他の駆動方式にはない乗り味、そしてもう1つは広い室内空間です。
現在でこそ主流の駆動方式になりましたが、実はFFの始まりである1970年代には、この特殊な構造を開発することに苦労したメーカーも多く、一部のメーカーでは開発を断念した程でした。そんなFF、あまり意識したことがない人には違いが分かりにくいかもしれませんが、実は皆さんが乗っている車のほとんどがこの駆動方式になっています。

FFのメリット

そんなFFのメリットにはこのようなものがあります。

①室内空間が広くとれる

先述した通り、FFはエンジンを車体進行方向に向かって垂直に(横置きに)レイアウトしている上、後輪を駆動させるためのプロペラシャフトがFRなどのように車体下部を通る必要がないため、室内空間の確保がしやすいです。そのため、FFの車はその他の駆動方式の車と比べると、後部座席が広くなります。特に国産のミニバン、コンパクトカー、セダンまで幅広く採用されて、大衆車としての実用性が非常に高いのです。ちなみにですが、このメリットはエンジンの配置と駆動輪が共に後ろとなるRR車でも同様のメリットになります。もっとも、RRの車はご存知ポルシェ911ですが、その走りを実現させるには高い技術力が必要になり、開発コストがかさんでしまいます。さらに言うと、RRの車を運転するためには高い運転技能が必要になり、誰でも快適に運転できるわけではありません。そのため、現在販売されている大衆車の多くには、FFが採用されているというわけです。

②直進の安定性と安全性に優れる

FFの車のフロント部分には、重量のあるエンジンや変速を担うトランスミッションがあることが特徴です。そのため、操縦する前輪に荷重がかかり、さらに前輪で引っ張ることができるため、直進の安定性が優れるのです。その分ステアリングが重く小回りが利かないというデメリットにもつながりますが、実際にはこの特性のために安全性を強化しているというメリットも生まれています。また、FFの車はFRの車では走行が困難になる雪道や凍結した道路、滑りやすい道路などでも前輪が引っ張って前に進むので、走りやすく安全性に優れます。

③車両価格が比較的安い

先述のように、FFの車は車の動力性能に必要なほぼ全ての部品をボンネット内に収めることができるため、部品点数が少なく済むということもあり、車両価格が抑えられがちです。1970~1980年代の、まだFFの開発が駆け出しだったころは、構造上の開発コストがかさんでしまい、車両価格も高めに設定されていることが問題でした。しかし段々とFFが主流になってきた現代では量産が容易になったため、FFの車両価格は比較的安価に設定されるようになりました。量産が容易になり、普及が広がるということは製造コストの低減だけではなく、様々な車の間での部品の共用が可能になるということなので、さらに車体価格が抑えられるようになったというわけです。

FFのデメリット

①フロント部分が重く、レスポンスが遅め

これは先述の通り車種やボディの形状などにもよりますので全てのFF車に言えるわけではありませんが、基本的にFFにしかない特性です。メリットの方では、ハンドルが切れづらいことによって直進安定性による安全性に優れる、と述べましたが、逆に言えばFFの車はその他のすべての駆動方式の車より比較的フロントが重く(ハンドルを切る際の切れ具合が重めということ)、ハンドル操作によるクイックなレスポンスはあまり感じられません。そもそもハンドルとは、本来すべての駆動方式においても重いもので、人の力だけでは切ることができないようなものなのです。そこで、現代の車は油圧や電子装置などを利用し軽く切れるように設計されています。しかし、それでも尚、FFの車は前輪が駆動も操縦も担っていることと、構造上フロント部分が重くなってしまうことで、他の駆動方式の車よりハンドル操作が重く感じる場合が多いのです。

②加速性能が低い

FFの車は、先述の通り車両前方が重く、車両後方が軽いです。車の瞬間的な加速の際には、車体後部が沈み、車体前部は浮くという現象が発生します。しかしFFの場合、この現象が起きた場合には、駆動する前輪が浮いてしまうことで十分なトラクション(牽引力)が得られず、FRなどの車と比べて加速が鈍いと感じます。もちろん、そもそも車体前部が浮くほどの急加速は日常的には必要ないですが、高速道路を走行中や、追い越しなどの際に、瞬発的な加速が必要になる状況において、少なからずもどかしさを感じることになると言えるでしょう。

③カーブで外側に膨らんでしまう

FFの車は、車両前方に部品があることもあり、そのデメリットが走りにも顕著に表れてきます。走行中のデメリットとしては、カーブを曲がる際にカーブに向かって外側に膨らみやすいということです。この現象をアンダーステアといいます。先述の通り、全ては駆動輪と操縦輪が同じということに尽きるのですが、そのせいでカーブを曲がる際にはアクセルを緩めてスピードをしっかりと落とし、それから曲がらないと、アンダーステアになってしまい危険なのです。そのため、FF車のほとんどの車が、高速でサーキットや峠などを走れるようには作られていない車ということになります(FFスポーツカーのホンダ シビック タイプRなど一部例外もあります)。

FF車はこんな人におすすめ

今回はFFの特徴とメリット、デメリットについてお話ししました。

走行性能においては他の駆動方式と比べて劣りますが、車両価格も安いうえに室内空間が広いため実用性が高く、雪道での安定性も頼もしいFFは、実用性を求めつつ移動手段として車を所有したい人にとってはぴったりの車であると言えます。

正直、走りにこだわらない人には、FRよりも車両価格も安く室内空間も広いいこのFFをおすすめします。もし、実用性も求めながら雪道での安定した走りを求めるならば、4WD(4駆)が良いでしょう。

皆さんがそれぞれにぴったりな車を見つけられることを願っております。

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