【実は世界では人気!?】現在の韓国車事情とは?日本での発売は?

韓国では日本車が売れ続けており、2018年の年末には4万台以上を売り上げて、日本車のシェア率は16%を超えるなど、過去最高の数字を記録しました。
国内に日本と同じように、車メーカーが複数ある韓国でも日本車が売れ続けているのは、日本で韓国車が発売されていないという現状と比較すると対照的に感じます。

海外では韓国車は人気を博しており、ヒュンダイと起亜自動車のグループ会社の販売台数は、トヨタと日産・ルノー連合に続く世界第5位となっています。
正直、一昔前までは「日本車のパクリ」や「安いだけが取り柄」という嫌なイメージがあった韓国車ですが、なぜここまで世界で大躍進できたのでしょうか?
そして、なぜ世界でもトップクラスの内需を誇り地理的にも韓国から近い、日本という地で韓国車が販売されていないのか?

その秘密を探るとともに日本車と比較をしていきたいと思います。

韓国車の歴史

「韓国車」とは韓国で製造されたり、韓国が発祥の地となった自動車ブランドなどを総称したものです。
アジアンカーと呼ばれるアジアの中で生産されている車の中の1つとしても数えられます。(日本車はアジアンカーという括りではなく、ジャパニーズカーと呼ばれ、1つの括りとして独立しています)

1955年にジープのような車を製造してから、韓国車の歴史が始まります。
1904年に日本で初めて車が製造されたことを考えると、この時点で日本車と韓国車の間には約50年の差がありました。

それからというもの、価格の安さを基本的な武器として、車大国であるアメリカなどで販売台数を増やしていきました。
しかし、為替の影響や韓国車よりも安価に販売されている中国車などが市場に本格的に参入してきたことにより、韓国車も安さを武器にするのではなく、品質の高さやブランド構築に力を入れるようになります。

最近では、アメリカのコンシューマーレポートと呼ばれる団体が発表した、車ブランドの信頼性を示すランキングでは、日本メーカー(レクサス、トヨタ、マツダ、スバル)に続く5位に韓国の起亜自動車がランクインするなど、日本車に次ぐ信頼性を得ています。
ドイツ車に関しては7位にアウディーがランクインしているのが最上位であることを考えると、日本車に次ぐ信頼性を獲得しているのが韓国車と言っても良いでしょう。

そんな、価格勝負の世界から品質勝負の世界に衣替えをし、世界でも一定のシェアを獲得している韓国車を見ていきましょう。

韓国車の主なブランド

・現代自動車(ヒュンダイ)

・起亜自動車(キアモーターズ)

・ジェネシス

・韓国GM

・ルノーサムスン自動車

「ヒュンダイ」や「キアモーターズ」に関しては海外でも人気のメーカーで、日本人であっても海外のレンタカーなどで運転をしたことがある方もいるのではないでしょうか?
ヒュンダイ・キア・ジェネシスに関しては、現代・起亜自動車グループという1つのグループ会社で、海外にも多くの車を輸出しています。

言うなれば、日本で言うトヨタです。

ヒュンダイがトヨタであれば、起亜はダイハツ、ジェネシスはレクサスというように複数のブランドを持つ自動車メーカーです。
実際に、乗用車のみの売上台数では現代起亜グループ全体では、フォルクスワーゲンとトヨタに次ぐ世界3位の巨大な自動車メーカーとなっています。

ジェネシスはトヨタのレクサスと同じようにヒュンダイの高級車セグメントを取り扱うブランドで、高く評価されているブランドとなっています。

韓国GMに関しては、2000年に破綻した大宇自動車をアメリカのGMが買収してできた自動車メーカーですが、業績は悪く工場などの閉鎖が続くなど、難しい状況にある自動車メーカーです。
また、ルノーサムスン自動車も業績が悪く、もともと韓国国内向けのドメスティックブランドであったこともあり、日本人でルノーサムスン自動車について知っている人は多くありません。

実質的に世界で人気を集めている韓国車=現代・起亜自動車グループの車(ヒュンダイ・キア・ジェネシスの車)ということになります。
これは、日本車がトヨタだけでなく、日産やマツダ、スバル、ホンダなどの他のメーカーも人気があるのとは対照的で、韓国車が人気というわけではなく現代・起亜自動車グループの車が人気という認識が正しいのではないかと感じます。

ヒュンダイの人気車種

ソナタ

ヒュンダイの中で最もポピュラーな車と言えばソナタではないでしょうか?
アメリカでは、売れ筋の車のサイズの1つとなっているミッドサイズセダンサイズの車種となっており、ヒュンダイの中でも売れ筋モデルの1つとなっています。
日本車では、カムリなどの人気車種と競合するモデルとなっており、高い商品力が求められるセグメントとなっています。

グリルの造形やサイドラインなど、アウディーと所々似ていますが、デザインにおいては高級感を感じ、競争の激しいこのセグメントの中でも、一歩抜きん出たデザインをしていると感じます。

ハイブリッドなどの先進的な技術が採用されているわけではないですが、カムリと比較するとスポーティーでパワフルなエンジンが採用されており、運転を楽しみたいと思う人にとっては良い選択です。
しかし、アメリカでこのサイズのセダンを購入する層は基本的に運転の楽しさよりも快適性を重視する傾向にあり、強いパンチはないものの、快適に運転できるカムリがトップシェアを獲得している理由がわかります。

また内装も質感が高い部品が使われており、商品力を高めています。
ナビもAndroid AutoやCar Playを使えるようにされているなど、韓国車ならではのデジタル面の強さはさすがと感じます。
ボタンなども操作性の良さを感じ、ひと目見ただけでどのボタンを押せばいいかがわかりやすい設計となっています。

このように全体的にレベルが高いソナタがアメリカでは2万300ドル(日本円で230万円程)から販売されているのが驚きです。
それほど本気になってカムリが独占しているこのセグメントをヒュンダイがシェアを伸ばしたいと考えているのが伝わる価格設定となっています。

エラントラ

ソナタを一回り小さくした、ヒュンダイ製のセダンが「エラントラ」です。
ソナタとともに、アメリカでレンタカーをするとよくこの車に遭遇します。
日本車では、シビックやカローラなどと競合する車種で、ソナタと同じように競争の激しいセグメントの1つとなっています。
アメリカでは、日本車のシビックやカローラなどに押されていますが、販売数は多く、2017年ではアメリカ国内で売れた車ランキングの20位にランクインしています(シビック:8位、カローラ:10位)

このセグメントは、各社が原価と戦いながら、最大限に商品力を高めているため、激しい戦いが求められるのがこのクラスの車です。
その中で、ヒュンダイは価格の安さを武器にして、販売数を増やしているように見えます。

実際、エラントラのエントリーモデルである、SEというグレードでは1万5600ドル(約170万円〜)と、安価な価格で販売しています。
最大のライバルである、ホンダのシビックのエントリーモデルであるLXというグレードは、1万9450ドル(約215万円〜)とその差は40万円以上あります。
このような値段差もあり、車体価格を抑えたいレンタカー会社などから多くの支持を得て、販売数を伸ばしているようにも考えられます。

それでも、ライバルと比較して後席の居住性やトランク容量の大きさにおいて勝っているなど、価格だけではない商品の良さを持っているのも事実です。
日本車もスペースの利用効率が良い車の作りをしていますが、少なくともこのセグメントにおいては、ヒュンダイがレベルの高いものを提供しています。

またセーフティー関連のシステムにおいても先進的なものが採用されており、自動ブレーキやオートクルーズ、オートマチックハイビームなども搭載されています。
また、このクラスでは珍しい休憩を促すシステムを搭載するなど、日本車顔負けのシステムも採用されています。

キアモーターズ

スティンガー

ヒュンダイの車においては、一般受けするセダン車という悪く言ってしまえば「当たり障りのない」車を紹介しましたが、韓国車の中にも感性に訴えるような車があります。
それも韓国車のメリットである安さも同時に叶えています。

キアのスティンガーは本格的なグランツーリスモ車として欧州の名だたるライバル(アウディーA5やBMW4シリーズなど)と競合しています。

価格は3万3千ドル(約365万円)からと韓国車としては高い部類に入りますが、それでも欧州車のライバルと比較すると圧倒的に安価です。
また0-100mの加速力はパワフルなものになっており、4.7秒で達します。
この数字は欧州車のライバルと比較しても速いものであり、コストパフォーマンスが高い車種となっています。

デザインにおいても、日本車はもとより欧州車と比較してもかっこいいと思えるデザインをしています。
どのメーカーの車も似たり寄ったりしたデザインに変わっていく中で、キアらしいデザインをいかにして作り上げようとしているか努力が垣間見えるデザインになっています。

乗り心地においては、欧州車ほど良いものではありませんが、それでも許容できる範囲であり、後席のスペースの広さなどを考えると良い車で有ることは間違いないでしょう。

ジェネシス

G70

ジェネシスは、トヨタで言うレクサスにあたる、高級車ブランドです。
実際に、ジェネシスはヒュンダイがレクサスの成功を意識して作られたブランドとも言われています。
最近ではジェネシスの販売不振が報道されるなどブランドに対しては良いニュースはありません。

そんなジェネシスのエントリーモデルで、レクサスでいえばIS、インフィニティ(日産の高級車ブランド)でいえばQ50にあたる、スポーツセダンのセグメントに属しています。
ブランドの売上不振が起きていても、G70が良いクルマであることはまず間違いのない事実です。
実際にアメリカでは、有名な車雑誌であるモータートレンドと言われる雑誌でカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。
日本で言えば、日本カーオブザイヤーに選ばれた車種というような感じでしょうか。

スポーツセダンとして重要な、走行性能の高さが特筆して高いことを感じます。
FRベースのAWDを採用しており、車の走行状態によって0:100〜50:50のパワー配分を自動的に配分します。
また、シャシーの性能も高いことを感じさせるボディーも魅力的です。
ブレーキにはブレンボ製のものが採用されており、性能にも申し分ありません。
インテリアもスポーティー感を感じさせる本ステッチなどが採用されており、天井もスウェード生地が採用され、本皮で覆われているダッシュボードなどデザイン性の高いものになっています。
エクステリアにおいても、若干アルファロメオのようなデザインを感じさせるものの、フロントグリルの造形などを見るとジェネシスとわかるデザインになっています。

また、G70はアメリカの安全性能評価団体の安全性評価でトップ評価をされるなど安全性においてもトップクラスの車となっています。

後席に関しては、スポーツセダン色を強くしたせいか、少し狭い車になっていますがそれでも、ドライバーズカーとして使う場合には十分でしょう。

なぜ日本では発売されないか?

ここまで見てきて、韓国車には価格だけではない商品の魅力も兼ね備えている商品が多いと感じた人がほとんどではないでしょうか?実際私もそう感じました。
少なくともこれまで日本人がイメージしてきた韓国車=粗悪品というイメージは完璧に消え去ったのではないでしょうか?
そんな韓国車がなぜ、市場規模も大きく韓国からも近いという地理的に優位である日本で発売されないのでしょうか?

私は以下の3点の理由が日本で発売されていない理由であると考えています。

・日本車の完全に競合する商品優位性

・これまでの韓国車=粗悪品というイメージが拭えない

・アフターサポート網の無さ

まず、1つ目ですが、韓国車のこれまで培ってきたブランドイメージとして「安価であまり壊れない車」というイメージです。
昔は安価な車というイメージでしたが、ここ最近は信頼性も上がり海外では壊れない車という認識もされてきました。

しかし、壊れないという点においては日本車が韓国車と比較して優位に立っているという点や、日本で安価な車を購入すると思うとほとんどの人は日本の軽自動車を選択します。
軽自動車ほど安くはない韓国車にとって価格のポジショニングにおいても日本市場で勝ち残る余地はありません。

日本で、メルセデス・ベンツやBMWなどの欧州車が成功した要因として、走りの楽しさやデザイン性など日本車と競合しない部分に長所があり、日本車では満足できない車ユーザーが積極的に選んだという理由が挙げられます。

2つ目においては、10年以上前にヒュンダイが日本市場に参入した際には、まだ技術力も確立されておらず、粗悪品が輸入されたのは事実です。
そのときに日本では韓国車=粗悪品というイメージがついてしまいました。

一度そのようなイメージが付いてしまうとまた乗りたいと思える人は少ないのではないでしょうか?
このイメージを崩すには、相当な金額の販売奨励金をばらまいて利益ド返しのような価格で車を販売して、ユーザーを増やした上で韓国車=粗悪品というイメージを崩させるという、体力勝負のような泥仕合が求められます。
そこまでして、ユーザーが増えるかわからない日本市場を抑えるメリットは今の所ないのではないかと考えられます。

3つ目は、韓国車メーカーが日本から完全に撤退していることもあり現状サポートを受けられる場所がほぼ0に近いということです。
日本に本格的に市場参入しようとなると、サポート網を増やしすという巨額の投資が必要になります。
サポート網も拡大できたとしても、市場での成功する確立が極めて低い日本にあえて参入する意味は今の所韓国車メーカーにはないと考えられます。

まとめ

今回は韓国車についてまとめてみました。

政治面などで対立することも多い日本と韓国ですが、車という両国の主要産業においても激しい戦いをしています。
実際はまだ、日本車が優勢ですが家電製品などのシェアが韓国メーカーに奪われたことを考えると、日本の自動車メーカーにとって迂闊にしていられない状況であることは確かでしょう。

ヒュンダイ・起亜グループ全体で元アウディーのデザイナーであった、ピーター・シュライヤーやBMWのMシリーズの設計に関わっていたアルバード・ビアマンなど、世界の名だたるメーカーからデザイナーやエンジニアを多く引き抜くなどして、価格だけでない車そのものの魅力を高めようとしています。
実際にそのような姿勢はクルマづくりにも反映されており、近年で韓国車の魅力はグッと高まりました。

このような優秀な人は外部からどんどん引き抜いて良いものを作ろうとする姿勢は、日本の自動車メーカーではあまり見られない動きであり将来的には確実に大きな脅威になると思います。

ジェネシスブランドにおいては、近年大人気のSUV車種がないなど、ラインナップの不足感から売上が伸びないというのスランプに陥っているように感じますが、クルマづくりそのものは評価できるものであり、ラインナップの拡充とブランディングの確立において、レクサスのシェアを奪う存在になりうるブランドであると感じました。

日本人として、日本の車メーカーがこれからも世界で愛し続けられる存在であってほしいと感じるため、あえて他の国のクルマづくりをもっと見習ってみるのも大切だと感じました。

 

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