旧車に厳しいのは日本だけか?ヨーロッパでも厳しい旧車の走行

古い車に対して特に日本が厳しいわけではありません。ヨーロッパでは、もっと厳しい事情があります。

2016年7月、平日昼間のパリから旧車が消えた

ヨーロッパでは日本より環境汚染が深刻で、1990年代には急増したディーゼルエンジン車による酸性雨で主に北欧を中心に森林被害が相次ぎました。

その影響でクリーンディーゼルや小排気量ガソリン車でも十分なトルクがあるダウンサイジングターボが発展し、世界有数の厳しい排ガス基準「ユーロ6」も段階的にさらに厳しくなっています。
とはいえそれは新車での話です。
ヨーロッパでは日本と違って1台のクルマを長く乗る事が多いので、旧車比率が異常に高くなっています。
それゆえ、排ガス対策がなされる前の古いクルマがやたらと走り回っており、そうしたクルマでもクラシックカー登録が為されていれば、ある程度は自由に走る事ができました。
しかし、10年以上前のクルマによる排ガス汚染が深刻化している事がわかると、何でもかんでもクラシックカー登録していればいいというわけにもいかなくなります。
そしてついにフランスの首都パリでは、1997年より前に製造されたクルマに対して、たとえクラシックカー登録をしていようと平日朝8時~夜8時までの市内乗り入れを禁止しました。

元々厳しい都市への乗り入れ

実はそれ以前からヨーロッパの大都市では旧車の乗り入れが制限されている地域がありました。
例えばドイツでは排ガスがクリーンだと認められないと、「この先の乗り入れ禁止です」という標識があちこちの都市にあります。
日本だと東京都へのディーゼルエンジン車の乗り入れに規制がありますが、それをより大規模に行っている形です。
それも規制の対象としてわかりやすいように、どの規制に対象する車種なのか色別されたステッカーを貼るようになっています。
規制区域内に入らない限り必須のものではありませんが、規制区域内に乗り入れるにはちゃんとお金を払って証明となるステッカーを購入しなければいけません。

日本はまだ全然規制が緩い!

日本で同じような事をやろうとするとどうなるかと言えば、例えば昭和53年排ガス規制以前のクルマが、各都道府県庁所在地や、それに準ずる大都市の市街地乗り入れを禁止されるようなものです。

そうしたクルマはバイパスや高速道路で通過したり、あるいは郊外にクルマを停めて公共交通機関の利用を余儀なくされます。
郊外にクルマを止めて公共交通機関の利用を促す「パークアンドライド」は日本でも通勤ラッシュ緩和のために導入が進められていますが、普及は進んでいません。
その理由として、国民に自動車を広めた結果として公共交通機関の利用者減少や、車線を広げて渋滞を緩和するため路面電車を廃止するなどして、よほどの大都市圏以外では公共交通機関が壊滅してしまった事が挙げられます。
今になって路面電車など都市型鉄道が再評価されていますが、多大な建設費を要する上に少子化による人口減で採算の見込みがつかなくなるなど、取り返しのつかない状態に陥っているのです。
そのため、ヨーロッパのような規制が実質的に困難な日本では厳しい規制を行えず、ほとんどの地域ではどんなクルマでも自由に乗り入れる事ができます。
ヨーロッパに比べれば、先進国でこれほど旧車に寛容なのは問題だと言われても仕方が無い状態です。

それでもヨーロッパが旧車に優しいと思われる理由

しかし、そうした「自由に乗り回せる環境」にあるにも関わらず、日本にいる限り旧車に厳しいと感じる人は後を絶ちません。

なぜかと言えば、前述のような厳しい事情が日本に伝わらない一方で、ヨーロッパの自動車メーカーの一部は旧車を乗り続ける人のために部品の供給を継続したり、メルセデス・ベンツのように表彰制度まであるような「いいニュース」が目につくからではないでしょうか。
現実には、ヨーロッパの人々は楽をして古いクルマの維持をしているわけではありませんし、だからこそメーカーもそうした人々に便宜をはかり、また旧車でも都市への乗り入れをある程度自由にする「クラシックカー登録」という制度もあるのです。
それに比べれば、多少高い税金を払えばどこでも走れる日本は、旧車乗りにとって恵まれていると言えるでしょう。
もちろん、メーカーが純正部品を供給してくれない、旧車を大事にしないからだ、という意見には見るべきどころかあります。
しかし、ユーザーが苦労して維持してこそメーカーもそれに報いる義務が出てくるというものです。
旧車というのはいわば「嗜好品」で、そのクルマでなければいけないというのは、あくまでユーザーの好みに過ぎない、という事実についてはこれからもっと議論が必要でしょう。
日本の旧車ユーザーはまだまだ「試されている」段階とも言えるかもしれませんね。

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